Set me free!

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『俺たちの箱根駅伝上・下』池井戸潤

ゆっこさんがオーディブルで聴いて感動したとブログに書いていた『俺たちの箱根駅伝』上下巻(池井戸潤著)を一気に読んだ。凄い!面白い!どきどきはらはらの連続!泣かせる!池井戸節健在!

池井戸潤作品の魅力。それはわたしが大好きな『下町ロケット』のように、失意の底に突き落とされた者が、周囲の偏見や蔑視を跳ね除け、誰もがあっと驚く結果や業績を出して、「これだから人生は面白いんだ!」と思わせてくれるところにある、とわたしは思う。現実にはそこまでうまくいかないだろうな、と分かっていても、小説なのだからそれでいい。

 

この『俺たちの箱根駅伝』も、箱根駅伝という実際のレースを舞台に、実在する大学に混じって架空の大学が複数登場する。そして、誰もが想像しなかった驚くべき結果がラストで明かされる。まるで本物のレースが目の前で展開しているような臨場感。胸躍り、手に汗握り、ところどころに挿入された悲喜こもごもの人間模様に感情を大きく揺れ動かされる。読者の涙腺を刺激するのが上手な作家だ。

 

この小説の面白さは、予選会で落ちた大学の個人成績が上位の者で構成される関東学生連合にスポットライトを当てている点だ。彼らの記録は非公式であり、オープン参加という立場になる。たとえ実際の順位が21位であれ1位であれ、幻の記録になるのだ。そんな立場で選手たちはどうモチベーションを高めていくのだろう。そのあたりが、まるで実在の選手たちにインタビューしたかのようなリアルさで描かれている。

 

また、駅伝選手だけでなく、各大学の監督同士のライバル意識や確執なども興味深い。同時に、『箱根駅伝』という番組制作に携わる者たちの舞台裏も、詳細に描かれている。番組制作に関して大きく意見が対立し、不協和音が生じる。それをどうやって調整し、番組を成功に導くのか。そのあたりも、著者は綿密な調査や取材などを通じ、信ぴょう性ある物語に仕上げている。

 

わたしは自他認める箱根駅伝ファンで、毎年1月2日と3日は駅伝の実況中継が終わるまでは一歩も家を出ない。昼ご飯も画面にかぶりつきながら食べる(行儀悪いの承知で 笑)。毎年涙と笑いのドラマに胸がすく思いをさせてもらっている。『俺たちの箱根駅伝』を読んだことで、来年の箱根駅伝は学生連合チームに注目しようと心に決めた。きっと小説さながらの(いや、事実は小説より奇なり的な)ドラマがそこにあるに違いない!

 

マシンピラティスで若返る!

先週娘と会ったとき、「お母さん、最近何か良いことあった?若返って見えるよ」と言われた、ということをブログに書いた。↓

setmefree.hatenablog.com

娘が泊りがけで遊びに来た年末年始、わたしは心身ともにぼろぼろだった。塾の仕事は受験生のラストスパートにともなって授業時間が急増して疲労困憊、体調も膀胱炎の症状が長引いて夜も熟睡できず最悪だった。

 

それが、3月になって仕事のスケジュールも落ち着き、春の陽気と新しいクリニックでの治療のおかげか膀胱炎の症状が消えて楽になり、夜中もトイレに起きる回数が減ってよく眠れるようになった。

 

という事情で4か月前との落差が大きかったので、「若返った」ように見えたのかも?

 

でも、それだけではない。3月からマシンピラティスのクラスに通い始め、これが若返りに一番役立っているのだと思う。マシンピラティスで使うリフォーマーの写真はPilates Studio Bundleのサイト から拝借した。

[Pilates Studio Bundle Offer] Nano Elite Pluspersonalhour.com

 

身体を動かすことは基本的に好きで、以前はジムのプールでよく泳いでいた。が、慢性膀胱炎がなかなか改善しないので水泳を中断して1年半。ジムで筋トレを黙々とするのは性に合っていない。エアロビクスやヨガのクラスを試してみたこともあるが、なんとなくぴんと来ない。

 

それが、マシンピラティスは初日から「おおお!」と感動した。これぞわたしが求めていたエクササイズ、巡り合えて良かった!的な。

 

具体的なエクササイズは、下にリンクしたサイトに写真と簡単な解説が載っているので、ご覧ください。

yoga-lava.com

月4回のレッスン(毎日複数のレッスンがあるので、自分の都合で日時が決められて便利)で、3月から始めたのでまだ9回通っただけだから、見た目には変化は無いかもしれない。でも、精神的には確実に若返っている 笑。

 

インストラクターが教えてくれる「クラスの中だけでなく、日常生活でも出来る事」をなるべく実践するよう心がける。それは、骨盤の位置を意識することと、座ったときに両足の内ももをくっつけること。それだけでも背筋がすっと伸びて姿勢が良くなった気がする(といいながら、気づくと元の悪い姿勢に戻っちゃってる 苦笑。維持するのがなかなか難しい~)。

 

なにより、楽しいのが一番!わたしはがっしりした体格の割には腕も脚も筋力が弱い。マシンピラティスをするたび、それを痛感する。きついエクササイズのときは、腕も脚もぷるぷる震えて、「もうだめ~」と心の中で叫ぶほど苦しい。それだけに、なんとかできたときの達成感は格別!

 

これが、マシンピラティスの若返り効果だ。1年、2年と続けたら50代の身体に戻れるかも 笑。

 

おまけ:

娘が贈ってくれたカーネーションの鉢植えのおかげで、玄関が華やかになった。

もう一つおまけ:

2年前の10月に撮ったからすうりの写真。zooeyさんのブログでアメリカン・ジャスミンが成長するにつれて色が紫から薄紫、白へと変化すると知り、コメントでからすうりも成長過程によって色が違うという話をしたところ、3色並んだところをご覧になりたいということだったので、載せてみた。緑色が子どもで、黄色が若者、赤は熟したおじさん・おばさん。信号だね 笑。

 

遊歩道アプトの道を歩いて碓氷峠のめがね橋へ (安中市)

車は交通渋滞と無縁の道を快適に走り、関越道を経て上信越道へ。さて、今日はどこへ向かうのだろう?

 

上信越道沿いはこの時期ならではの美しい緑に彩られていた。

今回は、遊歩道アプトの道を歩いて碓氷峠のめがね橋を目指す往復3時間のハイキングだ。

5分ほどで碓氷関所跡に着く。ここはさらっと見て、

起点から30分ほどで旧丸山変電所に至る。明治45年に建設された国指定重要文化財。

煉瓦造り建築の最盛期の建設であり、貴重な遺産となっている。

第1号トンネル(長さ187メートル)。

出口から見える緑が鮮やかだ。

思ったより気温が上がって暑く、アプトの道には日影がほとんどないので、トンネル内の涼しさがありがたい。

(google lensによれば)「クサソテツ」の群生。

道沿いに広がる風景。山が凛々しい。

ここでもマムシグサに会えた!いや、これは偽茎にマムシ柄がないから、別の種類のテンナンショウ属だろう。

木々の愛の交歓。

左下に碓氷湖が見える。

このあたり、テンナンショウ属があちこちに生えている!楽しい!これはマムシグサっぽいな。

第3号トンネル(78メートル)の中から第4号トンネル(100メートル)が見える。

砂利道は歩きにくくて最後のほうは足が痛くなった。帰宅してから気づいたが、足にまめが出来ていた。

お、案内板によれば「めがね橋」まであと10分だ!がんばろ~。

テンナンショウ属、早くも花が枯れて実が付き始めた。となるとやっぱりマムシグサではなくてミミガタテンナンショウかな?偽茎にはマムシ柄も無いし。

こちらは3本のテンナンショウさん。

第5トンネル(長さ244メートル)の出口に近づくと、ついに見えてきた、「めがね橋」だ!!!!!

めがね橋の標高は575メートルと、かなり高いところにある。また川底からの高さが31メートルと、日本最大級の橋だそう。

橋の右側に広がる風景、緑一色の中に鉄橋のようなものが見える。

長い階段を下りていく。

階段脇の緑。

「めがね橋」を見上げる!明治25年12月竣工。煉瓦造りのアーチ橋。

碓氷の峻険をこえるため、ドイツの「ハルツ山鉄道」のアプト式を採用して(だから遊歩道を「アプトの道」と呼ぶのか、と納得)横川と軽井沢を繋ぐ橋が建設された。

この橋は昭和38年に廃止された後も、往時を偲ぶ記念物として保存してある。

ChatGPTの水彩画。相変わらず顔は本人に似ていない 笑。

しつこくテンナンショウさん 笑。2本並んで仲良しの後ろ姿。

同じ道を引き返すのだが、砂利道が続いたり、日陰が無いカンカン照り(トンネル内の涼しさに救われた~)はなかなかしんどく、往復3時間のハイキングは結構ハードだった。

 

クライマックスは横川名物の釜めし!!!ランチというより3時のおやつに近かったが、あまりの美味しさにうなりながら食べた 笑。

今回のハイキングは、今年上半期のベスト3に入ることは間違いない。企画、車の運転、道案内をすべて1人でこなすbbさんにベストガイド賞を贈ろう。

八重洲のASTERISCOでランチの後、日比谷公園を散策

快適な陽気となった子どもの日に、少し早めの娘の誕生日会を開いた。場所は、八重洲のASTERISCOという「お米と楽しむイタリアンレストラン」(公式サイトの紹介文より)。

 

その前に、八重洲北口改札外の「東京ギフトパレット」内にあるBAKERS gonna BAKEというスコーンで有名なお店へ。ゆっこさんが美味しそうなスコーンの写真をブログに挙げていたので、わたしも食べたくなった 笑。人気店だったら長蛇の列ができているかも、と思い、念のためレストランの予約時間より1時間早く着くタイミングにしたのが大正解だった。

ざっと20人は並んでいる!30分ほど待って娘とわたしの分を買って(1人5個ずつ)、道に迷いながらも(地図も経路案内もあるのになんで迷うのか、我ながら不思議)、予約時間12時の10分前にレストランに到着(YANMAR TOKYOの2階)。ほっ、間に合った~。

娘は12時1分前に到着、席につくなり彼女は目を丸くしてわたしの顔を見る。「お母さん、何か良いことでもあったの?若返って見えるよ。」

 

お世辞は言わない娘なので、本当にそんなふうに見えたのだろう。嬉しいわ。「実はね・・・」とわたしは彼女に若返りの秘密を打ち明けた。この話はいつかブログに書くので待っててね。

 

まずは、スパークリングワインで乾杯し、前菜をいただいて

上は生野菜とお米のサラダ、下は焼き豚風のものと食べられる花をクレープで包み、さらに上からライスペーパーで包んだもの。これがとても美味しかった!

パスタかリゾットを選ぶ。娘はホワイト卵のトリュフのリゾットでわたしは本日のパスタ。

下は娘が選んだリゾット、トリュフがすご~く美味しかったって!

メインコースも4択の中から選ぶ。娘はお米を食べて育った豚肉のロースト、わたしは真鯛のオーブン焼き。豚肉はとても柔らかくて美味しかったって。わたしの真鯛も大満足の美味しさ。

さて、お待ちかねのデザート。びっくりするなかれ、バースデープレートはホールケーキ付なのだ!!!

ここで「お誕生日おめでとう!」とお祝いして、娘が願い事を込めてローソクの火を消すと、「切り分けてまいります」とサーバーさんがお皿を持っていってしまった。あれれ?

 

5分ほど待って再びサーバーさんが戻ってきた。手にしているのはなんと!半分になったホールケーキにパンナコッタとスポンジケーキがプラスされた2人分のプレート!!!

どれも美味しすぎて涙が出そうになった!これほどデザートが充実しているコースって珍しいのでは?

娘も大感激。なにせわたし達母娘はそろって超甘党だからね 笑。やっぱりバースデーケーキはホールでなくちゃ、だよね。ASTERISCO、満足度120%でした。お勧めです!!

 

この後、どこかを散歩しようかって話になり、娘がよく行く日比谷公園まで歩いていくことにした。方向音痴のわたしは娘のナビが頼り。

 

彼女は時々日比谷ミッドタウンへ出かけ、映画を観た後テラスでお茶を飲み、美しい夕日を見て日頃の疲れを癒すのだそうだ。そして、時間がある日は日比谷公園を散策して自然美を堪能するという。健康的な生活を送っているようで安心したよ。

 

広大な日比谷公園は古い大木が目立つ。中には樹齢1000年近いんじゃないかと思われる太くて古い木も。

こちらは大木の根元に生えていたアカンサス(google lensによれば)。

緑色のもみじが日光を背に受けて綺麗だ。

今回娘と公園内を歩いて、意外なことに気づいた。彼女とわたしが「あ、これ可愛い」「面白い植物だね」と思うのがほとんど一致しているのだ!ということで、わたし達2人の心を掴んだ草花を載せてみた。

アジサイのつぼみと咲き始めたばかりの花。

2人して同時に「何これ?」と声を上げたもの。Google lensによればアリウムだそう。

ノイバラ

何十種類ものバラが咲き乱れていた。バラ愛好家なら1日中眺めていたいだろうな。娘とわたしが特に気に入ったの(これもぴったり気が合った)をコラージュにした。

塀?に飾られた草花がアートのようで目を引く。

記念写真を1枚。

娘がよく出かけるという日比谷ミッドタウン。高層ビルと緑の芝生、ヤシの木、そして色とりどりの花。都会の美しい風景だね。

と思って芝生をぼんやり眺めていると、あれ?何?(ズームイン撮影)

もこもこもこもこ芝生の上を一定の速さで動いている。まるでルンバみたいだ、と娘と顔を見合わせて笑う。そのユーモラスな動きに笑いが止まらず、動画まで撮ってしまった。

youtube.com

娘がネットで調べたところ、「ホンダミーモ」はロボット芝刈り機なのだそうだ!よく働いて偉い。健気。

 

帝国ホテルが見えたので、ロビーに入ってシャンデリアの写真を撮る。実はわたしはきらきらのシャンデリアを見るのが大好きなのだ。帝国ホテルのは格調高いホテルにふさわしく落ち着いたデザインだ。

1時間半ほど歩いた。娘は地下鉄2~3駅なら平気で歩くという。わたしより健脚かもしれない。今度は一緒に低山歩きをしたいね。でも、熊さんが恐いから、熊さんが出てこなさそうなところを選ばないとね、と話ながら、帰りは有楽町駅まで歩いてそこで別れた。

 

仕事も順調、職場でとっても気の合う同僚がいて、その子とすごく仲良くなってしょっちゅう一緒に出掛けて楽しい、とも話してくれた。良かったよ~。娘の笑顔を見るのが母親として一番嬉しいことなんだよ。

 

もっといろんな話をしたかったけれど、この日彼女は夜に友達と飲み会があるというので、あまり疲れさせちゃいけないので夕方になる前にばいばいした。今度は愛猫ちゃんに会いにいくよ~。

 

晩御飯に、買ったスコーン5つのうち3つを食べた。左上はチョコレート&アーモンドのスコーン、下はバターミルクのスコーン、右上は紅茶&オレンジピールのスコーン。どれも文句なく美味!結構重くておなかがいっぱいになった。

残った2つは明日の朝食にしよう!左はイングリッシュフルーツスコーンで右は全粒粉のスコーン。

 

『ナイルパーチの女子会』 柚木麻子

まずは、わたしが小説『ナイルパーチの女子会』を読もうと思った経緯をお話ししたい。

Netflixのドラマ"Schitt's Creek"を観て以来↓

www.netflix.com

制作者であり俳優でもある(登場人物の一人David Rose役)Dan Levyのファンになる。彼の新しいコメディドラマ"Big Mistakes”が今年の4月にNetflixで視聴できるようになり、全エピソードを一気に観た後、再度観た。やっぱり、面白い!!Dan Levyって才能凄すぎ!

www.netflix.com

そのなかで悪役を演じるトルコ人俳優Boran Kuzumが魅力的だ。彼の英語は流暢だが、トルコ語訛りがセクシーに響く(インスタ画像を拝借)。

その彼がNYでの撮影中「5分間でテーマに沿った5冊の本を選ぶ」という企画に挑戦し、そのリール動画がインスタにアップされている。それを見た時、驚いた。5冊目に彼が選んだ"a very wild book"(すごく刺激的な本)というのが、日本の小説『ナイルパーチの女子会』の英語版"Hooked"だったからだ!↓はインスタ動画の静止画像の一部を切り取ったもの。

柚木麻子といえば、"Butter"がイギリスで英訳されてセンセーショナルな話題となった作家だ。『ナイルパーチの女子会』は"Butter"より2年早く2015年に出版されたが、英語に翻訳されたのは"Butter"が先だ。この"Hooked"は2026年に出た。それを選択したBoranのセンス、さすがだ!彼は読書家らしく、幅広いジャンルから5冊の本を選んでいた。

 

ということで、わたしは書店で『ナイルパーチの女子会』を購入して読んだのだ。

 

前置きが長くなったが、本題に入ろう。

 

結婚して夫と2人暮らしの祥子は、人気主婦ブログランキングの上位に入るブログを書いている。そのブログの熱烈なファンを自認する商社勤務の栄利子は、祥子に対する歪んだ憧れからストーカー的な行動に走り、それが次第にエスカレートする。精神的に追い詰められた祥子はブログを止めたいとまで思うようになる。

 

この2人だけでなく、2人の周囲にいる女性たちも、みな心に悪魔を抱えた恐ろしい存在に思えてくるのは、容赦ない感情描写のせいだ。人間である限り、負の感情から逃れることはできない。嫉妬心、虚栄心、自己顕示欲、優越感、思い込み、執着心、強迫観念、被害妄想。そういった感情をまったく持っていない人のほうが珍しいのではないか。でも、それらが文字になると、読み手の心にぐさぐさっと突き刺さり、まるで自分自身の醜さを突きつけられたような気がしてぞっとしてしまう。ホラー物語のような恐ろしさだ!

 

こうなると、いつものわたしなら「もうこれ以上読めない」と思って本を閉じてしまうのだが、Boranが5冊目に選んだ本だもの、最後まで読めばきっと何か心に響くものが見つかるはず、と自分に言い聞かせ、人間の残酷さに心と体を震わせながら読み続けたら。

 

良かった。最後まで読んで。

 

と、心から思えた。これから読む人がいるかもしれないので具体的には書かないが、ある時あることがきっかけでふと冷静に我が身を振り返り、そこから学ぶことがある(救われる)のだな、と実感できる内容だった。

 

それにしても、著者は上手い題名を考えたものだなあ、と感心した。

 

「ナイルパーチ」とは、スズキ目アカメ科アカメ属の淡水魚でアフリカ大陸原産だ。凶暴性を持つ肉食魚だが、食べると癖のない淡泊な味だという。ストーカー的なことをした栄利子は商社勤務で、このナイルパーチ輸入業務を担当する。

 

『ナイルパーチが哀れだった。ビクトリア湖は今、生態系が壊れたせいで藻とプランクトンが大量発生し、水質汚染が起きている。人間に生存競争を迫られ、必死に戦い、無我夢中で他種を食らってきたのに、逆にそのせいで本来の自分の居場所を失っていく』(335ページ)

 

栄利子は自分自身をナイルパーチに重ねていたのかもしれない。それなのに、祥子は栄利子が熱く語るナイルパーチにまったく関心を示さない。この温度差が栄利子の脅迫的な行為の引き金となったような気がする、と読み終えて感じたのだった。

裏金勝山⇒金勝山⇒前金勝山(小川町)ハイキングと登谷山(寄居町)でのマムシグサ観察

黄金週間に入って2日目のどんより曇った日、低山ハイキングに出かけた。今回は今のところ熊目撃情報が出ていない小川町の金勝山へ。

 

まずはおなじみ分校カフェMOZARTでランチ。デザートはカカオとオレンジのRawボンブケーキ(Rawケーキとは、卵や乳製品、小麦粉、砂糖を使わず、加熱せずに作ったケーキのこと)。

カフェから車で20分ほど走ると小川町げんきプラザ駐車場に着く。そこに車を停めて、本館(天文台のあるところ)経由で金勝山を目指す。

山道沿いの緑の風景に、ツツジがアクセントを添える。

清々しい!!!案内板によれば、ここから見える山々は左側に石尊山と官ノ倉山、中央から右よりに堂平山と笠山だそう。

この山は階段が多い。

平坦な道になったかと思ったらまた階段!下りて上って、

駐車場から歩くこと30分で裏金勝山に到着。ここは見晴らしがよくないのでさっと通り過ぎる。

ほんの3分で金勝山へ!標高264メートル。

今回は年齢はそのままで「顔の皺を消して水彩画にして」とChatGPTにお願いした。

ここでしばし眺めを堪能した後、

前金勝山を目指す。ここもまた長い階段だ~。

でも山道からの景色が気持ち良いので我慢できる。

10分ちょっとで前金勝山へ。歩いているうちに汗ばむほど暑くなったので、セーターを脱ぐ。

この日は小川町の春の草花をたくさん観察することができた。

 

こちらは分校カフェMOZART近くの土手で見た草花。名前はgoogle lensに尋ねたので、もしかしたら間違っているのがあるかもしれない。

シナサワグルミあるいはオニグルミ

朱色っぽいのはスイバで、紫色はナヨクサフジ

ナズナ

クサノオウ

下の4枚は金勝山の山道沿いで見つけたもの。

ツボミオオバコ

オトコヨウゾメ

マルバウツギ

オオツクバネウツギ

短い山歩きで物足りなさを感じたらしいbbさんが、「登谷山へ行ってマムシグサの成長具合を確かめよう!」と提案するので、2週間前に行ってきたばかりだが、今週もまたマムシグサ観察をした。

 

「え~、また~!?!」とうんざり気味の方には申し訳ないが、たくさん撮った写真のうちほんの一部だけ載せてみる。確かに、この2週間でずいぶん丈が伸び、大きくなった。

 

見事なマムシ柄!仏炎苞は葉の色と同じだから紛れてよく分からないよ。見つけてみて。

肉穂花序編(仏炎苞の中に見える先端が丸っこい棒)

仲良し親子・兄弟姉妹編

登谷山の山道から見える濃淡緑の美しさ!晴れていたらもっと鮮やかに見えただろうな。

 

里山に咲く藤の花の伝説

その日、わたしは負の感情に押しつぶされそうに

なっていた。

苦々しさと悲しさと心細さが混ざり合い、

自分でもどうしていいか分からなくなっていた。

気が付けば電車に乗って里山へ向かっていた。

 

鳥のさえずり、木々の葉が風に揺れる音、

木漏れ日、靴を通して足の裏に伝わってくる土の感触。

そうしたものに身をゆだねているうちに、

頬を伝って落ちる涙と一緒に

嫌なもの全てが洗い流されるような感覚を覚えた。

 

すると、男の人の声が聞こえてきた。

 

「こんにちは。このあたりで藤の花を

見ませんでしたか?」

 

藤の花?麓からここまで歩いてきたが、

見なかったような気がする。

わたしの好きな紫色の花。

もし咲いていたら気づいていたはず。

声の方を振り返ってそう伝えると、

その人は、

 

「すみません、あなたの姿が伝説の女性に重なって

見えて、つい声をかけてしまいました。」

と申し訳なさそうに言って、

里山に咲く藤の花の伝説について

話してくれた。

 

数年前に山間の村を訪れた時、

そこで出会った人から聞かされたという伝説。

 

愛しい人が重い病気にかかって床に臥せている。

自分には祈ることしかできないのだろうか。

男の人は自分の非力さを嘆き苦しみ続けた。

そのとき、里山の斜面が紫色に染まっているのに

気づいた。

そうだ、紫色が好きな恋人のために、

藤の花を採ってこよう。

そう決心して、男の人は里山へ出かけて行った。

 

ところがそれきり、男の人は姿を消してしまった

彼の身に何が起きたか知る人は誰もいない。

恋人から何の便りもないまま、

彼女は枕を涙で濡らすばかりであった。

 

翌年、藤の花が咲くころ、

彼女はようやく病から解放された。

そして、里山へ行き恋人を探し続けた。

毎日毎日、声を枯らして彼の名前を呼び、

奇跡を祈りながら山の中を歩いた。

 

そしてある日、彼女は悟った。

恋人は、美しい藤の花の下で眠っているのだと。

自分を慰めるために採りに行った藤の花に、

彼はとらえられてしまったに違いない。

それ以外に説明のしようがないほど、

彼の失踪は謎に包まれていた。

彼女の涙は藤の花を濡らし、紫の色が

一層鮮やかになるのであった。

 

「涙を流すあなたの横顔が見えたとき、

あの伝説の女性なのではないか、

と本気で思ってしまったのです。」

と、彼は結んだ。

 

この里山には咲いていないはずの藤の花が、

目の前に浮かんでくるようだった。

わたしも、自分では分からない何かを探し求めて、

ここへ来たのかもしれない。

そのことにこの男性は気づかせてくれた。

彼との出会いは偶然ではなく、必然だったのであろうか。

(Chat GPTに「里山に咲く藤の花」を描いてもらった。)

 

後記:この物語は、花神楽さんがブログに書いた鎌北湖での一期一会の話(下にリンクしました)

yoko-tak.hatenablog.com

を読んだことがきっかけで生まれました。わたしは男女の出会いをすぐ恋愛に結び付けてしまいがちなので、今回は少し違う形で書いてみました。改めて読み返すと、わたしの創作物語より、花神楽さんが経験した出来事のほうがミステリアスで美しい話だと思いました。事実は小説より奇なり、ですね。